会長メッセージ

王子ホールディングス株式会社
代表取締役会長
取締役会議長
加来 正年

当社は、1873年(明治6年)渋沢栄一翁により設立された日本最初の株式会社、社名は『抄紙会社』でした。
その当時の日本は、封建社会から資本主義社会への移行期であり、服装・食べもの・建物や新聞・雑誌等、生活の西洋化が急速に進んでいました。紙の需要も急速に伸びる中、輸入紙から国産への切り替えを進めるため、東京府王子村に工場を建設し、1875年に破布を原料とした紙の生産を開始しました。
1893年に社名を『王子製紙株式会社』と改称し、その後分割・合併を繰り返し、現在の王子ホールディングス(株)になりました。

150年という長い時の流れの中で、当社が持続的成長・発展できたのは、その時々において社会の変化や要求に応じ、事業の拡張や構造転換を実行した従業員の力、すなわち『人材力』であると思っています。1904年、未来を見据え新天地を求めて、北海道に渡った先人達の想い『100年の計、次なる時代に向けて』は、当時の姿で今もなお、現役で稼働している千歳水力発電所や国内新聞用紙の30%を生産している苫小牧工場として、当社を支え続けています。

そして今、日本における紙需要が減少する中、当社は新天地を求め、中国、東南アジア市場他伸長著しい地域の成長に寄与しながら、自らも成長するために事業進出・拡大を続けています。
これは、まさに150年前の日本が、西洋の文化・習慣を受容しながら成長・発展した姿、当時、新天地を求めて北海道に渡った王子の諸先輩の想いと重なるものがあります。社会の価値観が急激に変化する時代において、持続可能な革新的価値の創造により、王子グループの存在価値を求め、成長と発展の道を切り開いてまいります。

President’s Message 社長 磯野 裕之より