CEOメッセージ

写真: 磯野 裕之

当社グループの起源となる「抄紙会社」が設立された1873 年、当時の原料は都市部で不用となった衣服のボロでした。貴重な資源をリサイクルして社会に製品を届ける、これが私たちの創業です。その後、拡大する紙需要に対応するため、木質資源から紙を生産するようになりました。当社グループの植林事業は、1893 年ごろ天竜川流域で始まりました。

「木を使うものには、木を植える義務がある」。1920 年より社長を務めた藤原銀次郎翁はそう説き、植林事業を強化。以来私たちは木を植え続けています。植えられた木々は豊かな森となり、澄んだ水と空気を育み、多様な生物のすみかとなり、土砂災害を防ぎ、そして人々に癒しをもたらしています。

私たちは長い歴史の中で、「サステナブル」という言葉が普及するずっと前から、森林資源に根付いた事業運営を行い、発展させてきました。この事業運営は、現代では「持続可能な森林経営」「再生可能な資源の循環的利用」といった当社グループの「強み」となってきていると感じています。そして、この事業運営を続けていくことで、カーボンニュートラルやネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーの実現にも大きく貢献することができると考えています。

2022 年に私たちは、「森林を健全に育て、その森林資源を活かした製品を創造し、社会に届けることで、希望あふれる地球の未来の実現に向け、時代を動かしていく」ことをパーパス(存在意義)として掲げました。従って創業以来長い歴史の中で、私たちにとって当たり前となっていることを継続することで、今後の環境・社会との共生を通じて極めて重要な価値をもたらし持続可能な社会の実現に向けて尽力していく、地球規模での環境問題の解決、すなわち地球と未来へ大きく貢献していく、その可能性は十分にあると感じています。

森林の可能性をどう活かしていくのか。これからの王子グループにどうぞご期待ください。

王子ホールディングス株式会社
代表取締役 社長執行役員 CEO
磯野 裕之