本文へスキップします。

【全:日】ロゴ:領域をこえ 未来へ
【全・企日・PC】ヘッドリンク
【全・企日・PC】ヘッド検索フォーム
サイト内を検索
サイトマップ
【全・企日・SP】ヘッドリンク
【全・企日・SP】ヘッド検索フォーム
サイト内を検索
【参・企日・汎用】カテゴリタイトル

ページタイトル

最新情報

すべて

2024年11月25日

【日】お知らせ(汎用)

グローバル・コモンズ・フォーラムへの磯野社長登壇のご報告
 王子ホールディングス株式会社(社長:磯野裕之、本社:東京都中央区)は、東京大学グローバル・コモンズ・センター等が共催する「グローバル・コモンズ・フォーラム(以下、GCフォーラム)https://pco-prime.com/gcf2024/program.html」のパネルディスカッションに、磯野社長が登壇したことをお知らせいたします。

 10月8日に開催された本フォーラムは、プラネタリー・バウンダリー※1の提唱者ヨハン・ロックストローム教授(ポツダム気候影響研究所)による地球の健康診断に関する基調講演を受け、国内外の産官学のリーダーが一堂に会し、この危機を回避し、より良い未来に向かうための戦略を議論するものです。  

 当日、磯野社長はパネルディスカッション「ネイチャーポジティブ※2経済とファイナンス」に登壇し、具体的には以下の視点で異なる立場のパネリストとの議論を行いました。

・現在の経済システムは、自然システムの環境収容力を限界まで押し上げてきた。(=すなわちプラネタリー・バウンダリーを超えてきている。)私たちは自然を無償の財とみなし、それを使い果たした。
・遅ればせながら、いくつかの自然関連の取り組みが始まっているが、それらはしばしば自然をリスクの観点から見ている。
・ついては、森林、土壌、水、生物などを含む自然を投資可能な資産として評価し、自然を保護する行動への資金流入を促す方法はないものだろうか。

  磯野社長からは、以下の意見を提示し、当社の事業活動そのものがサステナブルであること、そして自然の価値を評価する取り組みの重要性を強調しました。

・当社の起源となる「抄紙会社」が設立された1873 年、当時の原料は都市部で不用となった綿襤褸(使い古した衣服のボロ)だった。貴重な資源をリサイクルして社会に製品を届ける、これが私たちの創業。
・その後、拡大する紙需要に対応するため、1889年から木質資源から紙を生産するようになり、植林事業も同時期に始まった。
・1930 年代から当時の経営陣は「木を使うものには、木を植える義務がある」と説き、植林事業を強化。以来私たちは木を植え続けている。
・健全な森は木材の生産だけでなく、澄んだ水と空気を育み、多様な生物のすみかとなり、土砂災害を防ぎ、人々のレクリエーションの場にもなる。当社は現在、森林を64万ha保有しているが、その中には、生産林だけではなく、環境保全林も含まれており、多面的な価値を生み、ネイチャーポジティブに寄与している。
 
・日本国内森林の経済価値を分析したところ、年間 35 億米ドル(5,500 億円/18.8 万ha・年)という結果だった。それらの価値は今は認識されていないが、さらに会計的な観点で経済価値の評価を進めていくべき。今回の「自然をバランスシートへ」という議論は非常に重要。
・世界の森林を保有する企業も同じ考えで、昨年、ISFC(国際森林関連団体、International Sustainable Forestry Coalition)をともに設立し、グローバルスタンダード作りに向けて活動している。時間はかかるが、実現すれば、製品の価格に自然の価値が含まれるという日がくるだろう。

 以上のように、自然を取り巻く世界的な課題について有識者とともに議論を深めることでき、当社にとってはこれまで以上にグローバル規模で新たな価値を生み出す機会づくりとなりました。
   今後も、地球規模の課題解決に向けたグローバル規模での連携を強化してまいります。



※1 プラネタリー・バウンダリー: 人類が生存できる安全な活動領域とその限界点を定義する概念。人類が地球に与える負荷が飽和点に達した可能性があり、特に気候変動や生物多様性の損失などの限界値、すなわち「プラネタリー・バウンダリー」を超え、危険域に入っていると言われている。人類の未来は地球上における安全な機能空間内(限界値未満)での成長にかかっている。

 ※2 ネイチャーポジティブ:気候変動や生物多様性の損失が問題になっている中、企業の事業活動そのものや資金の流れが、自然の搾取ではなく豊かにする方向に向かうこと。

 <お問い合わせ先>
 王子マネジメントオフィス株式会社 
グループ事業開発本部 
 王子の森活性化推進部  TEL:03-3563-4430