オーストリア バイオリファイナリー企業 オーストロセル社の買収に関するお知らせ

ニュースリリース 経営・財務研究・開発

王子ホールディングス株式会社(社長:磯野裕之、本社:東京都中央区)は、溶解パルプ(以下DP(Dissolving Pulp))およびバイオエタノール製造販売事業を展開するAustroCel Hallein GmbH (以下「AustroCel(オーストロセル)社」)の全株式を取得する株式譲渡契約を、投資ファンドTowerBrook Capital Partnersとの間で締結しましたので、お知らせいたします。

AustroCel社は、様々なバイオ化学品に使用される特殊DPを製造しながら、その製造工程で発生する副産物からバイオ燃料(次世代バイオエタノール)を製造する、欧州で最も先進的なバイオリファイナリー企業の一つです。同社は、森林資源の価値を最大限まで活用した循環型廃棄物ゼロモデルを構築し、グローバルな顧客基盤にそのバイオ製品を提供しています。

同社は、高いコスト競争力と顧客基盤を活かした開発力により、多岐にわたる新規製品群への参入を実現しております。特にBioFuels(バイオエタノール)事業では、欧州規制の施行(RED規制※)により非可食材が原料となる次世代再生可能エネルギーの需要が見込まれる中、2021年より先駆けて商業販売を開始しているパイオニアとなっています。加えて、昨年には、DPの副産物であるリグニンを活用し、生分解性があり、灌漑を大幅に削減できる土壌保水材を開発し、気候変動の課題に取り組む欧州の農家を支援する製品として市場展開を進めています。

当社は2025年5月に発表した「中期経営計画2027」において、事業ポートフォリオの転換を加速させ、木質バイオマスビジネスの中核化を図るとしております。今回の買収はこの戦略に基づくものです。

  • Renewable Energy Directive規制の略。欧州内で使用される全体使用エネルギーのうち、再生可能エネルギーの最低使用比率を定める規制。2018年施行のREDIIでは最低使用比率が32%だったが、2023年施行のREDIIIでは42.5%まで引き上げられている。

【AustroCel社概要】

企業名

AustroCel Hallein GmbH

所在地

オーストリア ザルツブルク州 ハライン

事業内容

溶解パルプおよびバイオエタノール製造・販売事業

売上高

168百万ユーロ(2412月期)

為替レート 1ユーロ=170円換算で約286億円 





【AustroCel社が展開する事業】

BioMaterials事業
一般用途向けDP
(レーヨン等の繊維、アパレル向け)

BioPerformance事業
特殊用途向けDP
(建築、塗料、食品、医薬品向け)

BioFuels事業    
DPの副産物を活用したバイオ燃料
(バイオエタノール、バイオガス等)

【今期の業績に与える影響】
 本件が、2026年3月期業績に与える影響は軽微です。

 

<本件に関する問い合わせ先>
王子マネジメントオフィス株式会社 
グループマーケティング本部  
TEL:03-3563-4430


王子ホールディングス株式会社
コーポレートガバナンス本部 広報IR部  
TEL:03-3563-4523  E-mail:oji-holdings@oji-gr.com