木質バイオマスレジストが最先端半導体プロセスの可能性を実証  ~High-NA EUV露光による超微細パターン形成を確認~

ニュースリリース 研究・開発

王子ホールディングス株式会社(代表取締役社長:磯野 裕之、本社:東京都中央区)は、木質バイオマスを原料とする最先端半導体向けフォトレジスト*1(以下、木質バイオマスレジスト)について、次世代半導体製造技術であるHigh-NA(開口数0.55)EUVリソグラフィ*2を用いた評価で、プロセスノードA14*3を想定した微細パターン形成を確認しました。

近年、AIやデータセンター、高性能コンピューティング(HPC)の急速な普及に伴い、半導体デバイスにはさらなる高性能化と低消費電力化が求められています。その実現に向けて回路の微細化が進む中、High-NA EUVリソグラフィは次世代半導体製造を支える中核技術として期待されています。
当社は、2024年にEUVリソグラフィに対応した木質バイオマスレジストを開発しました。さらに事業化を見据え、2025年から半導体分野における世界有数の研究開発・イノベーション拠点であるimecとの共同研究を開始しています。本レジストは、木質バイオマス由来材料を使用し、国内外で規制が進むPFASを使用することなく、高い保存安定性およびプロセス安定性と、優れた微細パターン形成性能を両立した環境配慮型の次世代フォトレジストです。

今回、imecとの共同研究において、幅10nmの直線パターンと直径16nmのホールパターンの形成を確認しました。この成果は、当社が開発する木質バイオマスレジストの先端半導体製造プロセスへの適用可能性を示すものであり、A14世代をはじめとする次世代半導体向け材料としての有望性を裏付ける重要な成果となります。引き続き、材料および製造プロセスの改良を進めていく計画です。
なお、本成果は、2026年9月8日から11日に米国カリフォルニア州モントレーで開催される半導体関連技術の国際学会「SPIE Photomask Technology + EUV Lithography 2026」において、発表をする予定です。

High-NA EUVリソグラフィ評価によるパターン画像
※エッチング加工にも成功し、実際の製造工程への適用可能性を確認





当社は、2028年の事業化を目指し、今後もimecをはじめとする研究機関との共同研究を通じて木質バイオマスレジストの性能向上と実用化を推進し、次世代半導体産業の発展と持続可能な社会の実現に貢献してまいります。



*1:半導体製造工程において、回路パターンの形成に使用される光で反応する材料

*2:極端紫外線(EUV)と呼ばれる非常に短い波長の光を用いて半導体回路を形成するための次世代露光技術。従来のNA(開口数0.33)よりも高い解像度を実現し、より微細なパターンを形成できる。
次世代半導体の高性能化を支える技術として期待されている

*3:半導体の製造世代(微細化レベル)を示す指標。A14世代は、2028年以降の先端ロジック半導体世代を指し、約10nm幅に対応する技術が求められている。回路パターンの微細化により、半導体の高性能化や低消費電力化、高集積化が可能となる



本件に関する問い合わせ先

王子ホールディングス株式会社  
イノベーション推進本部 半導体電子材料研究センター
TEL:03-6625-0176  E-mail:ohd-semi-resist@oji-gr.com

コーポレートガバナンス本部 広報部
TEL:03-3563-4523  E-mail:oji-holdings@oji-gr.com