イノベーション

Innovation
About Innovation

サステナブルな社会の実現に向けた王子グループのイノベーション

王子グループは、豊富な森林資源と150 年以上にわたる「森づくり」や「紙づくり」で培われたコア技術を基盤に、木質資源を活用したサステナブルな素材の開発や新規ビジネスの創出を進めています。
短期から中期の取り組みとして早期拡大を目指す「サステナブルパッケージ」と、中長期の事業の核となる「木質バイオマスビジネス」の育成を同時に進めることにより、持続的な成長のための革新的価値の創造と事業領域の拡大に貢献しています。

豊富な森林資源×紙づくり・森づくりのコア技術
事業化に近い開発を促進

サステナブルパッケージ

脱プラスチックを推進する環境配慮型紙パッケージ

写真: 環境配慮型紙パッケージ

CO2排出量削減や化石資源由来プラスチック使用量の低減に寄与する、液体紙容器や環境配慮型包装資材をブランドオーナー様のニーズに合わせ、提供しています。高いリサイクル性が特長の液体紙容器、食品包装にも対応できるバリア紙製軟包装、強度と美粧性を持つ高品質パルプモールド製容器など、脱プラスチック需要に応える紙製包装資材を海外企業への出資やM&Aを経て拡充しています。

持続可能な社会への貢献に向けた「紙容器リサイクルシステム」の展開

イメージ図: 紙容器リサイクルシステム

サーキュラーエコノミーの実現に向け、使用済みの紙容器(紙コップやアルミ付き紙パック)を再資源化するマテリアルリサイクルの取組みを進めています。
紙容器は、一般的に耐水性やバリア性を持たせるために、紙素材にプラスチック層やアルミ層などが積層されており、古紙回収に出せない禁忌品として大部分が焼却処分されています。
そこで、王子グループでは、使用済みの紙容器を回収し、破砕・洗浄工程により容器の汚れやプラスチック層・アルミ層を除くことで、紙繊維(パルプ)を再資源化するシステムを構築しました。
再資源化された紙繊維は、段ボールやハンドタオルなどに再生し、有効活用されます。

欧州の最先端環境配慮型パッケージング企業の買収

写真: サステナブル包装資材加工メーカーWalki(ワルキ)社のパッケージ

2024年4月、パッケージング事業の基盤構築を目的として、フィンランドのサステナブル包装資材加工メーカーWalki(ワルキ)社を買収しました。Walki社の主力製品はリサイクル性とバリア性を兼ね備えた紙ベースの環境配慮型包装資材群で、環境規制が進む欧州市場で高い収益性を誇っています。今後、世界的なサステナブル包装資材需要に応えるグローバルサプライヤーとしての事業基盤をより強固なものとしていきます。


新素材開発や社有林の有効活用

木質バイオマスビジネス

木質資源を原料とする「バイオものづくり技術」の開発

写真: 開発に関わる物質が保管されている瓶4つ

木質資源を原料とする“バイオものづくり技術” の開発を進めています。特に、さまざまなバイオものづくり※1の基幹物質となる「糖液」や、SAF※2をはじめとした化学品製造に利用できる「エタノール」、バイオマスプラスチックの代表格である「ポリ乳酸」に注目し、これらの製造技術を確立すべく、糖液・エタノールのパイロット製造設備立ち上げやNEDOプロジェクト「木質等の未利用資源を活用したバイオものづくりエコシステム構築事業」など、社会実装に向けた取り組みを加速させていきます。

  • ※1 バイオマス由来の糖を原料に、有用物質の生産性を高めた微生物(スマートセル)等を利用して、石油資源依存からの脱却を実現する製造手法。
  • ※2 Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料):航空業界の脱炭素の切り札とされる燃料。

社会の変化に応じたセルロースの活用(CNF)

写真: シャーレに入っているCNF及びセルロース製品

王子ホールディングスのセルロースナノファイバー(CNF)およびセルロース製品は、木質繊維(パルプ)を微細化した素材です。微細化することにより、バイオマス素材でありながら高透明性、高粘度、高強度等の突出した機能が発出・その特性を活かして自動車等の輸送機器・電子機器・化成品関連等の幅広い産業分野で適用が期待されています。

製品情報ページではCNFおよびセルロース製品の特性や想定用途などを掲載しておりますので、是非御覧ください。

バイオマスを原料とした最先端半導体レジスト

写真: 最先端半導体用フォトレジストのイメージ

バイオマスを原料とした、PFASフリー対応の環境に配慮した最先端半導体用フォトレジストです。
バイオマスの持つ力を最大限に生かした独自技術を用いています。基本性能は確認済みであり、半導体デバイスメーカー向けに最適化を進めています。

薬用植物「カンゾウ(甘草)」の大規模栽培による安定供給

写真: カンゾウ畑

国内で消費されるカンゾウの多くは輸入に依存しており、野生品の採取に伴う資源枯渇や環境保全の課題も抱えています。また、輸出規制等のリスクもあり、国産化が求められています。その中で当社のカンゾウは国内で栽培することにより高いトレーサビリティを保証し、安全・安心な「持続可能なビジネス」に対応することが可能です。
顧客が要望する形に加工し、医薬品、化粧品、食品分野へ展開を進めています。

木質由来の医薬品

写真: 馬の世話をしている様子

王子ファーマはパルプ製造時の副産物「ヘミセルロース」から得られる「硫酸化ヘミセルロース」を原薬とした医薬品の研究開発・事業化を目指し、2020年に設立されました。同社の硫酸化ヘミセルロースには抗炎症や血液凝固阻止などの作用に加え、木質由来という特徴があります。木質由来ならではの「安全・安心」「安定供給」といったメリットがあり、「ヘパリン」などの動物由来の医薬品を置き換えられる可能性を秘めています。

Introduction of main innovations

イノベーション推進本部について

王子グループの
新しい価値創造のために

次世代の王子グループを担う研究開発部門であるイノベーション推進本部は、事業に新しい価値を創造するために多岐にわたる研究テーマに取り組みながら、グループ全体の将来の事業につながる開発を進めています。