方針
王子グループ環境憲章
基本理念
王子グループは、広く地球的視点に立って環境と調和した企業活動を展開し、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献する。そのため一層の環境改善に取り組むとともに、森のリサイクル、紙のリサイクル、地球温暖化対策などを積極的に推進する。
行動指針
- 森のリサイクル推進
- 紙のリサイクル推進
- 地球温暖化対策の推進
- 環境改善対策・環境管理体制の強化
- 環境負荷の小さい生産技術と製品の開発
- 廃棄物の低減と有効利用の促進
- 環境対策技術の海外移転推進
- ステークホルダーとの信頼関係の構築
王子ホールディングス株式会社
代表取締役 社長執行役員 CEO
磯野 裕之
環境ビジョン2050
2020年9月に、30年後の未来を見据えた環境に関する長期ビジョン「環境ビジョン2050」を設定しました。環境ビジョン2050達成に向け、環境に関連する取組を実施しています。
ネット・ゼロ・カーボン
温室効果ガスの実質的な排出をゼロとする
- 海外植林推進と森林保全により「森のリサイクル」を進め、生産活動による温室効果ガス排出量を上回るCO2を吸収・固定
- エネルギー消費の効率化、再生可能エネルギーの利用拡大により、生産活動による温室効果ガス排出量を削減
- ステークホルダーとの協働によりバリューチェーンにおける温室効果ガス排出量を削減
循環型社会を目指す
- 古紙利用の拡大による「紙のリサイクル」を推進
- 製造工程における「水のリサイクル」を推進
自然との共生
生物多様性の保全と環境負荷の軽減を図り自然共生社会を目指す
- 豊かな森づくりを通じ生態系を未来へつなぐとともに稀少動植物の保護・育成を推進
- 生態系維持のため生分解性・バイオマス素材の開発と生産を推進
- 排水・排気の浄化、廃棄物の有効利用を推進
目標と実績
環境に関する長期ビジョン「環境ビジョン2050」達成に向けたマイルストーンとして「環境行動目標2030」、「環境行動目標2040」を策定しています。
カーボンニュートラル、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーへの取り組みと、取り組みの基礎となるステークホルダーエンゲージメントに対して目標を設定し、目標達成に向けて取り組みを推進しています。
環境行動目標2040
「環境ビジョン2050」の新たなマイルストーンとして2040年度を目標達成年度とする「環境行動目標2040」を2025年5月に策定しました。
環境行動目標2040により、「環境行動目標2030」で定めた2030年度目標に達成に向け実施してきたカーボンニュートラル、ネイチャーポジティブ、サーキュラーエコノミーへの取り組みを発展させます。国際社会への貢献を高めるとともに、取り組みの基礎となるステークホルダーエンゲージメントを推進します。
1. 気候変動問題への対応
非化石エネルギー利用量の拡大による温室効果ガスの削減を行い、自社林の森林保全・植林を通じた森林の温室効果ガス吸収効果と合わせ、2040年のスコープ1、2のネット・ゼロ・カーボン化を達成する。※
- ※ 森林吸収による排出量相殺に上限は考慮しない
目標
1)スコープ1、2 GHG排出量削減
2040年度に2018年度対比で排出量を50%削減
2040年度に2018年度排出量の50%相当分を森林により吸収固定
1. エネルギー消費量削減
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- エネルギー消費原単位1%/年以上削減
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2. 購入電力非化石比率100%
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- 2040年度 購入電力非化石比率100%
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※ 証書利用を含む
3. 石炭使用量ゼロ
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- 2040年度 石炭使用量ゼロ
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4. 低炭素水素などの導入開始
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- 水素、アンモニア、e-methane(合成メタン)等
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2)スコープ3 GHG排出量削減
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- カテゴリー4 チップ船からの排出量 2018年度対比40%削減
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2. ネイチャーポジティブの推進
持続可能な森林経営を推進して森林の多面的機能を高めるとともに、生態系を保全・回復する取り組みを継続・拡大し、世界のネイチャーポジティブの達成に貢献する。
目標
1)豊かな森づくり
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- 持続可能な森林経営
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- 森林破壊ゼロの継続
- サプライヤーデューディリジェンス1回/年以上
- 自社森林認証取得率100%と森林認証製品の拡充
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2)生物多様性保全
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- バリューチェーンを含めた事業活動において自然への重要な依存と影響を特定し、生態系に配慮した事業活動を通して生物多様性の損失を回避する。
- 天然林再生面積 (2018-2040) 5,000 ha以上
- 郷土樹種植栽本数 (2018-2040) 900千本以上
- 緑の回廊設置面積 (2018-2040) 6,000 ha以上 - 先住民族を含む地域社会や環境NPOと協力して、稀少動植物の保護・育成や生態系の保全・回復に取り組む。
- プラスチック汚染の防止に向け、環境配慮型紙パッケージ製品や生分解性・バイオマス素材の研究開発を推進する。
- バリューチェーンを含めた事業活動において自然への重要な依存と影響を特定し、生態系に配慮した事業活動を通して生物多様性の損失を回避する。
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3. サーキュラーエコノミーの推進と汚染物質削減
資源の循環的利用を推進して社会のサーキュラーエコノミー移行へ貢献するとともに、環境負荷低減に継続して取り組む。
目標
1)サーキュラーエコノミーの推進
- 廃棄物の有効利用率維持、向上
・国内:99%以上、海外:95%以上 - 古紙利用の推進
・国内:段原紙古紙利用率90%以上 - 取水総量の削減
・2018年度対比10%以上の削減 - 高水リスク地域におけるステークホルダーエンゲージメント実施
・年1回以上実施 - 再生可能な森林資源を用いた、木質由来糖液をはじめとする化石資源代替素材の製造技術の確立と商用化
2)汚染物質削減
- 排水汚濁負荷の削減 (測定対象会社当たり)
・BOD, COD, SS総量 2018年度対比 20%削減 - 大気汚染負荷の削減 (測定対象会社当たり)
・SOx総量 2018年度対比50%削減
・NOx総量 2018年度対比10%削減
・VOC排出原単位 2018年水準の維持
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4. ステークホルダーエンゲージメント
環境や社会に配慮した調達の拡充に取り組み、脱炭素社会に貢献する製品を製造するとともに、環境法規制を遵守した事業活動を推進する。
目標
1)サプライヤーマネジメントの推進
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- 第三者機関監査も含めたサプライヤーマネジメント体制を強化し、人権や環境に配慮した調達を行う。
- サプライヤー人権・環境デューディリジェンス 1回/年 実施
- 第三者機関監査も含めたサプライヤーマネジメント体制を強化し、人権や環境に配慮した調達を行う。
2)環境事故ゼロ、製造物責任事故ゼロ
環境法令違反、製造物責任事故をゼロとする。
取り組み
王子ホールディングス グループ安全環境本部に属する環境管理部(OHD環境管理部)は、グループ環境管理規程で定められた環境監査を統括管理し、グループ全体の環境リスクの抽出・低減に取組み、環境事故の未然防止、再発防止を図っています。
環境マネジメントシステム(EMS)
事業場・事業会社が自ら環境リスクを低減するため、EMSの導入を進めています。ISO14001をはじめとする第三者認証の他、王子グループ独自のEMS「O-EMS」も活用しています。
環境リスク低減の取り組み
事業場は、潜在的な環境リスクを抽出するために環境ハザードマップを作成しています。グループ内で発生した環境事故等は概要・原因・対策を水平展開し、同様なリスクの抽出漏れを確認することで、環境リスクを低減しています。
環境監査
事業場の環境リスクを様々な視点から評価し、環境法令遵守および環境リスク低減の取組みを確認するため、国内外すべての生産事業場を対象とする環境監査を毎年度実施しています。
環境監査では、
- 事業場がチェックシートを用いて、自ら環境管理上の問題点を調査・是正する一次監査を行います。
- 事業場を所管する会社(または第三者機関※1)が、一次監査の結果を検証する二次監査を行います。事業場を訪問して現場確認を主体とする現地監査と、書類のみを確認する書面監査があり、事業場の環境リスクの大きさと管理状況に応じて選定しています。
- 各カンパニーが、一次・二次監査の結果を検証する三次監査を行い、その結果をOHD環境管理部で妥当性の判断をします。
- ※1 海外においては国・地域ごとに異なる法令を把握し遵守する必要があるため、世界各国の様々な法令に精通したグローバルな第三者機関の現地スタッフを活用しています。
環境監査により明らかになった問題点は事業場が速やかに是正し、所管会社・カンパニーおよびOHD環境管理部が是正内容を確認しています。
対象事業所数 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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一次監査(事業場内部監査) | 国内 | 214 | 213 | 210 | 215 | 217 | 218 |
海外 | 58 | 58 | 60 | 61 | 65 | 65 | |
二次監査(現地監査件数)※2 | 国内 | 132 | 146 | 78 | 151 | 129 | 136 |
海外 | 47 | 47 | 5 | 26 | 46 | 41 | |
環境事故※3件数 | 国内 | 3 | 2 | 0 | 2 | 2 | 5 |
海外 | 1 | 0 | 0 | 1 | 3 | 3 |


教育・啓発
社内向け環境ニュース
社員へ環境教育・啓発を実施するために、全社員を対象とした環境ニュースを月1回発行しています。環境事故ゼロに向けた取り組みや王子グループの環境方針の説明などを通じて社員の意識向上に努めています。
廃掃法関連情報
王子グループ対象事業の維持管理記録一覧
王子グループの事業所が保有する廃棄物処理施設(焼却施設・最終処分場)につき、各月の維持管理記録(対象事業所のみ)を、会社別、工場別に掲載しております。
- ※ 連続測定記録および維持管理計画については、各事業所に備え付けの記録を参照ください。