ヤイロチョウは体長18~20cmほどの渡り鳥で、「八色鳥」とも書くように、複数の体色を持つ美しい鳥です。高知県の県鳥および四万十町の町鳥にも指定されており、日本には春から初夏にかけて飛来し、九州、四国などの照葉樹林で繁殖した後、秋にタイやボルネオ方面へ渡って冬を越すといわれていますが、まだ詳しい生態は分かっていません。環境省レッドリストでは「絶滅危惧ⅠB類(近い将来における野生での絶滅の危険性の高いもの)」に指定されています。 <公益社団法人生態系トラスト協会提供>
このほど協定を締結した生態系トラスト協会は、ヤイロチョウなど多様な生物の生息環境の保全を目的として活動している環境保護団体です。これまでにヤイロチョウや森林生態系の保全を目的として約280ヘクタールの山林を取得しているほか、四万十町などの協力を得て、ヤイロチョウ保護を主な目的とした研修施設「四万十ヤイロチョウの森ネイチャーセンター」を開設、運営しています。
王子グループは、国内外に約47万ヘクタール(東京都の面積の約2倍に相当)の森林を有しており、「持続可能な森林経営」を環境行動目標として掲げています。その一環として、森林の持つ生物多様性保全の取り組みを進めており、国内最大の淡水魚イトウの保護(北海道猿払山林)、高山植物の保全(北海道様似山林)などの活動をしてきました。
今後も、森林の持つ多様な機能の維持推進に、より一層取り組んでまいります。